秩父一泊二日|NIPPONIA秩父・三峯神社・秩父神社を巡る旅

緑に囲まれた秩父神社の朱色の神門 Cuisine and Food Culture
秩父の街歩きで訪れた秩父神社。

NIPPONIA 秩父 門前町に泊まり、秩父神社・三峯神社と昭和の街並みを巡る週末旅。

古い建築に泊まり、土地のものを食べ、神社と喫茶店を巡る。東京から気軽に行けるのに、きちんと「旅をした」という感覚がちゃんと残る秩父の旅の記録です。

これまで三峯神社には何度も足を運んでいましたが、今回は三峯だけを目的地にせず、前日に秩父市街へ入り一泊しました。

宿泊したのは「NIPPONIA 秩父 門前町」。

秩父神社を歩き、地元の食材を味わい、夜はバーへ。翌日は三峯神社で祈祷を受け、秩父へ戻ってパリーと泰山堂Cafeへ立ち寄りました。

池袋から特急ラビューで秩父へ

秩父へは池袋から西武鉄道の特急ラビューで向かいました。大きな窓と黄色いシートが特徴的な車内に乗り込むと、東京から1時間半ですが、しっかり旅の気分に切り替わります。

西武秩父へ着けば、街の背後には武甲山があります。武甲山は大正時代から石灰岩の採掘が行われており、削り取られた独特の山容をしています。この削られた土がセメントとなって都内のコンクリートジャングルを支えています。(*武甲山の登山記事はこちら)

遠くまで行かなくても、日常とは違う土地へ来た感覚が得られる。秩父の魅力の一つは、まずこのアクセスの良さだと思います。

NIPPONIA 秩父 門前町に泊まる

今回の旅で、特に満足度が高かったのが「NIPPONIA 秩父 門前町」でした。宿泊したのは、かつて煙草店として使われていた「小池煙草店」を活用した建物。

外から見ると、古い商家の面影がしっかり残っています。昼間はカフェとしても営業しています。カフェ横の入り口から建物の中へ入ります。柱や梁、階段、建具など、昔から使われてきた建築の痕跡が随所に残されていました。

その一方で、ベッドや水回りなどは現代の宿として快適に整えられていました。古いものを保存することと、現代の生活の中で使うこと。この二つを両立されているのが良かった。

率直に言って、宿泊料金に対する体験の密度も高く、かなりコストパフォーマンスが良いと感じました。

秩父のものを食べる夕食

夕食も大満足でした。印象に残ったのは、単にコース料理を提供するのではなく、秩父の食材をできるだけ料理の中へ取り込もうとしていたことです。

食事の前には、その日に使われる野菜や果物なども見せてもらいました。秩父産の野菜やきのこ、果物。荒川の虹鱒。鹿肉。

料理を通しても、今自分が泊まっている土地を知ることができます。「地産地消」という言葉はよく聞きますが、旅先で実際にその土地のものを食べると意味が具体的になります。

コース料理だから少量ずつ、という感じではなく、味はもちろん、量もしっかりとあって、食事を終えたときの満足感も十分でした。

NIPPONIAでの滞在は、ホテルの中だけで完結するのではなく、「秩父という土地に泊まっている」という感覚を作ってくれました。

NIPPONIAという名前でも、土地ごとに違う

滞在中、スタッフの方に「今度NIPPONIA佐渡にも行く予定なんです」と話しました。

そこで聞いたのが、NIPPONIAという名前を掲げていても、全国の施設が一社による均一なホテルチェーンとして運営されているわけではない、という話でした。

地域ごとに異なる事業者が関わり、その土地に残る建築や文化を活用しているそうです。同じNIPPONIAでも場所によって体験が変わるのかもしれません。

今回の秩父と、これから訪れる佐渡。

同じ「NIPPONIA」という枠組みが、それぞれの土地でどのように違って現れるのか。比較してみるのも楽しみになりました。

夜は「ハイランダーイン秩父」へ

NIPPONIAには、宿の中だけで過ごさず街へ出るきっかけも用意されていました。

宿泊者向けの特典として、近くの「ハイランダーイン秩父」でイチローズモルトを一杯いただくことができました。英国風の店内へ入ると、壁一面にウイスキーのボトル。秩父といえば、世界的にも知られるイチローズモルトの土地です。

宿泊施設の中にバーを設けて完結させるのではなく、宿泊者を街の店へ送り出すいい仕組みだと思いました。番場通りのお店は閉店時間が早く17時なるとしまっていたので、遅くまでやっているバーは貴重かもしれません。

NIPPONIAが小池煙草店のような古い建物を使っていることとも、古民家を改装した「ハイランダーイン秩父」の考え方がつながっているように感じました。

秩父の街を歩く

街を歩くと、秩父にはまだ古い建物がかなり残っています。

木造の商店。洋風の意匠を取り入れた建物。昭和のスナックやバー。古い看板。

もちろん現代的な建物も増えていますが、その間に異なる時代の建築が点々と残っています。こういう街は、目的地だけを地図に登録して最短距離で移動するより、少し遠回りしながら歩いた方が面白いかもしれません。

秩父神社と「お元気三猿」

番場通りの先には、秩父神社があります。色鮮やかな社殿には多くの彫刻が施されていて、建物そのものを見ているだけでも時間が経っていきます。

中でも印象に残ったのが「お元気三猿」です。

三猿といえば、日光東照宮の

「見ざる・言わざる・聞かざる」

が有名です。

ところが秩父神社の三猿は、

よく見て、よく聞いて、よく話す。

同じ「三匹の猿」という図像を使いながら、意味は反対に近いですね。神社を訪れるとき、社殿を全体として眺めるだけでなく、彫刻や図像を一つずつ見ていくと、その土地独自の文化も見えてきます。

翌朝、再び三峯神社へ

翌日は三峯神社へ。

NIPPONIA 秩父 門前町で朝食をいただいたあと、チェックアウトし、西武秩父駅から9時15分発のバスに乗る予定でした。ところが駅へ行ってみると、すでに長蛇の列。予定通り動くのが難しそうだったため、急遽タクシーで三峯神社へ向かうことにしました。

料金は約15,000円。

決して安くはありませんが、結果的には8時45分発のバスとほぼ同時に三峯神社の駐車場へ到着しました。そして、今回は奥宮までは行かず、三峯神社で祈祷を受けました。

以前いただいた御神札を返し、祈祷を受け、新しい御神札をいただきます。

今回は短い参拝でしたが、三峯神社については、前回、宿坊・興雲閣に泊まり朝祈祷を受け、妙法ヶ岳の奥宮まで登った以前の体験も含め、別の記事で詳しくまとめています。

三峯人気を甘く見ていた

帰りは12時40分発のバス。余裕を持って40分ほど前にバス停へ行きましたが、ほどなくして長蛇の列になりました。今回はぎりぎり座ることができました。

以前は表参道の登山口から三峯へ登ることが多かったため、バスの混雑を少し甘く見ていました。行きも列。帰りも列。深い山の中にある神社でありながら、現在もこれだけ多くの人が三峯を目指しています。

三峯信仰は「昔の山岳信仰」として博物館の中に閉じた文化ではなく、現在進行形で多くの人を動かしています。実際の人の流れを見ることで、そのことを改めて感じました。

秩父へ戻り、パリーで昼食

三峯から秩父市街へ戻り、昼食は「パリー」へ。

重要文化財に指定されているだけあって、建物にはやはりインパクトがあります。街角に突然、昭和の時間がそのまま残っているような外観に金の文字。古い建築が好きなら、一度目の前で見てみる価値はあると思います。今回はカツカレーをいただきました。

泰山堂Cafeが素晴らしかった

パリーから徒歩5分ぐらい「泰山堂Cafe」に立ち寄りました。外観からすでに雰囲気があります。こちらも重要文化財にしてされた建物。

緑色の扉にステンドグラスがはまっています。中へ入っても、古い建物の質感を残した落ち着いた空間になっています。

人気の「ヌガーグラッセ」とコーヒーをいただきながら、しばらく休憩しました。

温泉には入らず、最後はいつもの秩父餅

旅の最後は西武秩父駅へ。駅前には「西武秩父駅前温泉 祭の湯」がありますが、今回は温泉には入りませんでした。代わりに物産エリアでお土産を見て、最後にいつもの秩父餅を購入。

何度か秩父へ来ていると、「これを買ったら帰る」という自分なりの定番もできてきます。秩父餅を買って、今回の一泊二日は終了です。

NIPPONIAで紹介された借金なし味噌もちゃんとありました。

また秩父へ

これまで自分にとって秩父は、「三峯神社へ行くための場所」という側面がかなり強くありました。今回、NIPPONIAに泊まり、市街地を歩いて、その認識が変わりました。

麓の秩父に一晩泊まって街を歩くことで、三峯へ向かう旅そのものも豊かになりました。東京から近く、週末の一泊でも十分楽しめます。

次に訪れるときは、また別の古い建物や店を探して歩いてみたい街でした。

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