大衆の反逆

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 -大衆社会の怖さ-

ポイント

・大衆が反逆すると社会秩序が乱れる

・大衆とは、身分や階級には関係なく存在する精神が退廃している集団

・人生は困難と義務を背負い努力すべき

ホセ・オルテガ・イ・ガセット。1883~1955。スペインの哲学者。

かつて黄金帝国と呼ばれていたスペインに分裂の危機が生まれ、ファシズムが忍びよってきた時期に出版されたもの。

資産階級と労働者階級の間に大衆集産主義が生まれ、集産主義者の大衆が物質的な安楽を求めることによって、人類は道徳的に退廃するとオルテガは指摘する。

簡単にいうと、社会は、特別有能な個人または個人の集団である少数者と、そうでない格別、資質に恵まれない平均的な人々である大衆で構成されている。他人と同じであることに喜びを感じ努力をしない集団である大衆は、自分は凡人であると知りながらその数の多さで自分たちの主張を通し、優秀である少数の者や意見の違う者を排除していく。そして社会が退廃し社会秩序が乱れていく。

ここで注意したいのは、 オルテガ は特定の社会階級を批判しているのではなく、「自分が他人と同じであることに喜びを感じるという」退廃的な内面的・精神的態度を批判しているということ。これはどんな階級にもあらわれる現象であり、困難に立ち向かって努力する少数者を目指すべきだとオルテガは主張しています。

著者: #ホセオルテガイガセット

翻訳: 寺田和夫 新書:  263p 出版: 中央公論社

それでは、さようなら。気をつけて:)

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