-ニュースには伝える人間の主観が入っている-
ポイント
・人間は見たいものを見る
・人間は単純化してもの理解する
・世論は必ずしも真実ではない
ウォルター・リップマン。1889-1974。アメリカのジャーナリスト
アメリカのジャーナリズムでは最高峰の存在として知られているリップマンの代表作です。
人間はある事柄に対してある種の固定的なイメージを持って理解することを指摘し、それをステレオタイプと呼びました。人は自分の見たいものを引き寄せ、見たくないものからは離れていく性質があるといい、擬似的な環境を作り出します。そしてこの擬似環境とステレオタイプで現実を認識していきます。そしてこの人々の認識が世論を形成していきます。そもそも真実とはかけ離れた認識から生まれた世論は汚染されていると指摘し、民主主義に対して懐疑的な態度をとっています。最終章では理性という解決策を私たちに提示しますが距離感のある態度をとっており、読者への挑戦とも受け取れます。
1回目読了 2021/06/10
ご拝読ありがとうございました。それでは、さようなら。気をつけて:)
著者: ウォルターリップマン翻訳: 掛川トミ子 文庫:上270p 下306p 出版:岩波文庫
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